78. 何かを痛烈に訴えたい、ということはよくわかった

■例文
 何を言いたいのかよく分からないが、何かを痛烈に訴えたい、ということはよくわかった
 何を言いたいのかよく分からないが、気迫がすごかった

■違い
 「彼は、何かを痛烈に訴えたいようだ」という見方は、発言している本人の視点を採用しているので、物事の裏側まで見抜いている趣が出てくる。
 そして、「気迫がすごかった!」と自分の主観で外部から、直接その雰囲気を指摘していくよりも、より婉曲的な言い方で指摘すれば、情念が言葉の背後に隠れるという効果が出てくるので、威力が高くなる。直情的すぎると興ざめする、というのはよくあるし。
 今日の言葉の仕組みは、発言の内容に注目するのではなくて、発言するときの表情や身振り、間合い、目線などの、行為自身に着目するというもの。
 今日の例文は、カエサルがブルータスの演説を見たときの皮肉。
 今日の分析は、彼の皮肉を曲解したことになるのかな。