83. 問いに対する答えの中にある

■例文 モリス・フリューゲル
 あらゆる宗教の本質は、私は何のために生きるのか、私を取り囲む無限の世界に対する私の関係は何かという問いに対する答えの中にある
 あらゆる宗教の本質は、私は何のために生きるのか、私を取り囲む無限の世界に対する私の関係は何かといったところにある

■違い
 「問いに対する答えの中にある」のほうが、答えを導き出すことを強く要請されている感が強い。なぜなら、意味の範囲が広い「ところ」という言葉を使用するのではなくて、「問い」、「答え」という言葉を使うと、対象が絞られてきて、算数のような論理性が出てくるから。
■物事の捉え方
 「本質は、〜だ」と明確に答えることは、なかなか難しい。しかし、例文のように、「本質は、〜の中にある」と答えるのは、より易しい。攻殻機動隊の9話、ラッフィングマンルームにおいて、草薙素子は次のようなことを言っていた。「事件の全容を解く鍵は、6年前の誘拐と今回の暗殺予告の直後に連鎖的に起こった現象が、何の因子によって引き起こされたのかって事の方にある気がするわ」。すなわち、「鍵は、〜の方にある」と言っているのだが、これは、「本質は、〜の中にある」という形式と同じである。
■言い回しの型
 本質は、〜という問いに対する答えの中にある
■使用法
▲着眼
 本質の位置
▲挿入
 疑問形式の言葉。
▲効果
 対象が絞られてきて、算数のような論理性が出てくる。