116. 矛盾だ

■例文 夏目漱石 「三四郎
 三四郎は茫然(ぼんやり)していた。やがて、小さな声で「矛盾だ」と言った
 三四郎は茫然(ぼんやり)していた。やがて、小さな声で「何かおかしい」と言った

■例文
 「矛盾だ」という言葉は、アレとコレがつながっていない、というつながりの部分を指摘する言葉なので、必然的に、対立する二つの要素を吟味することになるので、思索に入りやすい
 違和感を大切にすることで、自分の考えも深まる。
 例えば、食堂で、かっこいい男子が一人で食事をしている。僕はこれに違和感を覚えた。本来ならば、大勢でワイワイガヤガヤ食事する部類の人間なのに、ひとり物想いに沈みながら食事をしている。僕が考えていたものと現実のギャップに矛盾を感じて、違和感を感じる。そして、その違和感の本体と目標を吟味して、それを延長してみれば、僕の僕自身に対する頼りなさの由来は、人知れぬ誠の不徹底にあるということに気がついたというわけで、独立自尊に一歩近づいた。今ではコップの置き方一つに対しても、本気でやる