120. 誇りにみちあふれ 

■例文 三島由紀夫 「金閣寺
 一挙手一投足が誇りにみちあふれ、そんな若さで、自分の謙虚さの重みをちゃんと知っていた
 一挙手一投足が誇り高く見えて、そんな若さで、自分の謙虚さの重みをちゃんと知っていた

■違い
 「誇りにみちあふれ」という言葉を使うと、手足にギュウギュウに誇りが詰め込まれて、ドバッと溢れて出しているような感じが出てくる。
 三島由紀夫が、どうやってこの表現を生み出したのか気になるので、解明を試みる。「彼の動作は、誇り高く見える」→「手や足が動いているときに、モワモワっと誇りの雰囲気がその動きに合わせて揺れている」→「その誇りのモワモワの原因は、手足に誇りの汁が充満していて、それが情熱で蒸発してモワモワしているせいだ」→「誇りが手足の中に汁のように満ちて、蒸気となってあふれている」→「誇りがみちあふれている」。